「野球を辞めた今、あなたにはもう何も残っていない。」
これは、大学一年生の冬、大学野球を辞めた翌日に、母から言われた言葉である。
私は、13歳迄父の仕事の関係でドイツに5年半住んでいた。
中二の春、日本に帰国してから本格的に野球を始めた。
そこからの6年間は、まさに野球一色の生活だった。
そんな「生活そのもの」だった野球にピリオドを打った瞬間から私の迷走期間がはじまった。
なんのために生きているのか、わからなくなったのだ。
完全に、目標を見失った。
辞めてしまえば毎日が自由で、楽だ。流れに身を任せておけば良い。しかし、「なんとなく」時間だけが過ぎていく。
大学野球を辞めた翌日母に呼び出され、実にストレートに、当時の私にとって重い言葉を言われた。
「野球を辞めた今、あなたにはもう何も残っていない」
今考えると、この言葉が自分の中でもかなりのモチベーションになっている。心底母には感謝をしている。
「過去」に縛りつくことを、この日から止めた。
常に前を向いて突き進む事だけを考えるようになった。
まだまだ、まだまだ。
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